「命のコンテナ」プロジェクトの動画制作

医療・防災産業創生協議会活動の進展に向けて

医療・防災産業創生協議会が本格スタートして2年半が経過し、この間メンバー企業(22社)、超党派議連をはじめ多くの関係者のご支援等を得て、3年計画の活動も重要なタイミングを迎えています。今般、弊協議会会長の寺島実郎が主導する「命のコンテナ(技術の集結)」プロジェクトについて、本年6月の道の駅猪苗代での可動式コンテナの実装デモの知見等も踏まえ、今後に向けて協議会活動のさらなる進展に資するよう紹介動画を制作いたしました。動画(5分弱程度)については協議会ホームページhttps://www.mdpc.ne.jp/activity231024/をご覧ください。

寺島自身、我が国の災害時における避難所の状況が諸外国と比べても見劣りし、阪神淡路大震災以降にコンビニや携帯電話が社会インフラとして進化してきたにもかかわらず、避難所の状況改善があまり進んでいないことに長年警鐘を鳴らしてきました。大雨や地震など頻繁に災害が発生する状況下で、避難指示警報が多く出される昨今、早期に避難所の状況改善が命を守る上でも喫緊の課題と認識しています。

避難所に関するアンケート結果

6月の実装デモの際、道の駅を訪れた一般利用者(100人)にWebフォームによるアンケート調査を実施しました。避難所での心配事について、「プライバシーが保てないこと」、「トイレ不足」、「お風呂・シャワーに入れないこと」が上位を占め、その他の回答も含め避難所生活のQOL向上に資する取組が急務と考えています。また、デモで展示したトレーラーハウス型のコンテナでプライバシーが確保された避難所であれば、避難のハードルが大きく改善するとの回答も得られました(スライド1ご参照)。


↑実装デモで行われたアンケートの回答結果(スライド1)

上記回答とともに、水や食料(食事)、電源、体調不安への心配事も多く出されており、弊協議会のコア製品である可動式(高機能・高付加価値)コンテナの活用度が大きいと考えています。

2回目の実装デモ(平常時の活用)

1回目(6月)の3タイプの可動式コンテナの実演を通じて、実際に視察・見学頂いた皆様には主に災害時における有用性を一定程度理解して頂いたと受け止めています。

弊協議会では、今後の地方創生における有益な取組を促進する上でも可動式コンテナの多岐多様な利活用シーンについて、特に地元(猪苗代町)を中心とする事業者等の参加・協力を得ることが重要と考えています。それには平常時(普段)の活用度を理解して頂くことがポイントであり、その対応を重点に来月下旬道の駅猪苗代において、地元(主に行政、耶麻歯科医師会)の協力を得て2回目の実装デモを行う計画です。

具体的には、ジャッキ付き多目的コンテナを使用し、①店舗事業用コンテナ、②歯科用医療コンテナについて、1日ずつ実施する予定です。

  1. 店舗事業用コンテナは、「地域活性化」の事例を見据えた準備であり、ゆくゆくは道の駅と地元事業者等が協力し、チャレンジショップ方式などによる、町内の観光地、駅前、イベント会場等での移動販売を想定するものです。
  2. 歯科用医療コンテナは、災害時の口腔ケア支援(口腔ケア用品の一元的な備蓄と避難所等における口腔衛生を中心とした支援)の充実から、将来的には「健康なまちづくり」へ寄与する、道の駅を基点に口腔ケアの講習、中山間地域への巡回サービス、全世代への口腔ケア教育・指導(プログラム)等へと活動の広がりを想定するものです。

ガイドラインとりまとめへの協力

国土交通省では、主に道の駅における可動式コンテナの取組事例を調査し、その知見等を踏まえ、全国への展開に資するガイドラインを本年度とりまとめる予定のようです。弊協議会としても、このような動きに協力する観点から、来月のデモを含め今後の実装に際しての課題等を的確に把握・整理しておくことが重要と考えています。

結び(今後の展開)

2年半の活動の間、弊協議会のシンボリックプロジェクトである「命のコンテナ」プロジェクトに対して官民(海外)を合わせて多くの方々から関心表明を頂いています。

例えば、民民連携の関心として、建設現場等で活躍する女性も多く輩出しており、従来の簡易トイレを高質化したパウダールーム(コンテナ)の設置可能性、官民連携の関心として、河川敷に建物が建てられない事情から、大規模な河川敷整備に資する可動式のトイレコンテナの設置可能性等々、今後の活動の展開に向けて、多面的な機運が高まっていると受け止めています。この状況を成功モデル(事例)として着実に具現化することが弊協議会(事務局)の責務と考えています。

引き続き多くの皆様に本協議会活動へのご支援等を賜りたくお願い申し上げる次第です。