昨年入所した“駆け出し研究員”の身でありながら、大変有難いことにセミナーで発言をする機会をいただきました。 広島県三次市の市民ホールきりりで開催された「我が事丸ごと『ニッポン一億総活躍プラン』がもたらす備北の福祉未来像」というタイトルのセミナーです。
このセミナーの主催者である社会福祉法人優輝福祉会さんには、 昨年(平成28年)度の厚生労働省老健事業の調査研究事業「老人福祉施設の地域展開の手法についての調査研究」で研究に協力いただき、「地域社会活動実践セミナー」(広島県庄原市)を共催していただいたご縁があり、今回のセミナーにお招きいただきました。
厚生労働省社会・援護局の定塚局長、そして社会福祉法人雄勝福祉会事務局長兼人材育成部長(前厚生労働省地域支援対策専門官)の佐藤博氏から
- いま、国が進めている「我が事・丸ごと」の地域づくりとは何か
- 全国の実践地域ではどのように進めているのか
を地域住民の方々・法人職員の方々に対して分かりやすく説明・発信され、主催者である優輝福祉会の熊原理事長、職員の若井氏からは、
- 備北の社会福祉法人として目指していること~福祉施設がポンプ役のまちづくり~
- 法人による新たな取組み~プレミアムチャレンジャー(高齢者・障害者等)によるボラバイト~
について、熱い想いとともに講演が行われました。 私からは、昨年度実施した上述の調査研究事業と結び付けながら、
- 「我が事・丸ごと 地域共生社会」の私なりの解釈
- 地域の中で社会福祉法人に期待されている役割の大きさ
について、お話をさせていただきました。※本ページ下部に、参考として研究事業報告書URLを記載しております。 ご関心のある方はご覧いただけますと幸いです。
登壇された皆様方の話はとても参考になり、主に以下の点が印象に残っています。
- 地域の実情に合わせた仕組みづくりが求められる現在、 地域(現場)での実践の積み重ね・試行錯誤が政策・制度につながっていく。
- 住民一人ひとりは地域(福祉)を支える存在であるから、自分の住む地域に対する意識を 「他人事」から「自分事」に変えていく(当事者としてかかわる)必要がある。
- 地域の中の各主体間で顔の見える関係をつくり連携を強化していくと、地域の課題を共有して取り組むことができ、相互の信頼関係ができあがる。各主体間の相互信頼の輪が広がって、地域社会全体の信頼関係が醸成され、“地域力”も向上する。
「地域」を「会社・法人・団体」、「住民」を「社員」と読みかえることもでき、 一企業でいう「組織活性化」とも通じる部分が多いと感じました。「住民が“我が事”として地域にかかわっていく・地域を支えていく」ために 各主体が何をどうすればよいのか、広島・備北の地で、改めて考える機会となりました。主催者の皆様、ご参加の皆様、ご登壇の皆様、本セミナーに関わったすべての方に この場を借りて改めて感謝申し上げます。
追記
5月の“山笑う”清々しい季節に広島・備北地域を訪れ、多いに五感(六感?)が刺激されました。ぜひとも別の機会にレポートさせていただきたいと思います。
~広島県庄原市総領町にある田総の里スポーツ公園にて~
≪ご参考≫
- 平成28年度厚生労働省老健事業「老人福祉施設の地域展開の手法についての調査研究事業」報告書は、以下URLからご覧いただけます。
https://www.jri.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/H28chiikitenkai.pdf - 上記研究事業内で開催したシンポジウム(2017.2.28)を、月刊ガバナンス2017年4月号でご掲載いただきました。