JRI研究員探求 ~野田名誉会長を訪ねて~

●自己紹介

こんにちは。日本総合研究所 調査研究本部 生活創造研究部(四ツ谷ユニット)で研究員を務めている毛利です。

普段は「人生100年時代におけるライフデザイン」を自らのテーマとし、高齢者の社会参画、多職種および住民協働による地域づくり等の研究事業に参画しています。

ここ最近の動きとしては、弊所が推進する「ジェロントロジー研究協議会」の「宗教・こころジェロントロジー」事務局の一員となり、かねてから関心のあった「ライフエンディング」の領域にも、少しずつではありますがのめり込んでいるところです。

こちらのスタッフ紹介も、お時間のある時にお目通しください。
https://www.jri.or.jp/archives/staff/yukiko-mouri/

さて、日本総合研究所に入所して3年が経過し、初めてスタッフブログ投稿のため筆を執った(キーボードに手を置いた…)のは、今回、四ツ谷ユニットの職員2名で、非常に得難い経験をしたことによるものです。それは、

御年92歳を迎えられた、野田一夫名誉会長の訪問。

●野田名誉会長をたずねて

ご存知のとおり、野田名誉会長は1970年に財団法人日本総合研究所を設立し、初代所長に就任した人物です。学識者でもあり、事業家でもある野田名誉会長のもとには、学会、政界、産業界問わず、毎年多くの人が訪ねているとのこと。

そんな野田名誉会長のもとを私たちが訪ねたのは、こんな思いからでした。

「2020年で設立50周年を迎える日本総合研究所の研究員として、今、そしてこれから、どういった姿勢をもち、どのようなことをなすべきか」

この漠然とした、問いとも呼べない「思い」に、野田名誉会長からの檄をいただきたいという何とも淡い期待を胸に、梅雨を裏切るめいっぱいの日差しが降り注いだ6月19日、紀伊国坂を下り、玉の汗を浮かべながら、日本総合研究所の本部事務局、赤坂オフィスの戸を叩いたのでした(自動ドアでした)。

●野田名誉会長からのお話とJRIの基本信条

訪問日の3日後に92歳のお誕生日を迎える野田名誉会長に、恐らくは誰よりも早かったであろうお祝いを申し上げ、早速今回お訪ねした趣旨をご説明。

野田名誉会長の「何でも聞いてくれ」というご発言のスケールに冒頭から圧倒されつつ、1時間ほどお時間を頂戴し、お話させていただきました。

詳細は割愛しますが、「2020年で設立50周年を迎える日本総合研究所の研究員として、今、そしてこれから、どういった姿勢をもち、どのようなことをなすべきか」という漠然とした思いに対していただいた助言は、大きく以下の3点であったと認識しています。

  1. 目の前で起きている課題を認識すること
  2. 課題を世間に発信・説明すること
  3. 第一線の専門家とのネットワークを保持すること

これらは、日本総合研究所の掲げる「三つの基本信条」にも繋がることでもあり、改めて、基本に立ち返ることの大切さを感じました。

(詳しくは、弊所HPの設立趣意をあわせてご覧ください。)
https://www.jri.or.jp/jriintro/%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e8%b6%a3%e6%97%a8/

●研究員としての今の自分に引き寄せて

野田名誉会長とのお話からは、私自身がいま「漠然とした、そして大きすぎる<少子高齢化社会>という現象に飲み込まれてしまい、課題意識が明確になっていない」という非常に大きな気付きを得ることができました。

研究員を3年もしておきながら、いつも自己紹介で「こんなことに取り組んでいます」と一言で自分のことを説明できないことが何よりの証拠だなあと感じながら、紀伊国坂を上ったのでした。答えにたどり着いたわけではないのですが、向き合うべき課題が明確に見つかったことで、下りのときよりもむしろ少し足取りが軽く感じられたことを、この記事を書きながら思い出しています。

ついつい目の前の「タスク」に追われてしまいがちな日々を反省し、まずは「自らの課題意識」を明確にするところから、4年目の研究員生活をスタートさせよう…と、思いを新たにした1日でした。

●おわりに

会社のスタッフブログという公の場でひたすら自分の至らなさを書き連ねていくことに若干の痛みを感じながらも、今回の気づきを今日から活かしていきたいと思います。

野田名誉会長の「またきなさい」というありがたいお言葉を胸に、今度は研究員として少しでもステップを踏んだ姿でお目にかかろう、という決意をもって、本稿を締めたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

6月22日に92歳のお誕生日を迎えられた野田名誉会長。

一般財団法人社会開発研究センターの藤村代表理事も同席してくださいました。

◆ なお、この日一緒に野田名誉会長を訪ねた四ツ谷ユニットの高野研究員も、投稿をアップしておりますので、そちらもあわせてご覧ください! https://www.jri.or.jp/blog/archives/180