旅先で「感じる・考える」こと

私は、昨年度携わった研究事業※で日本各地の合計17地域でヒアリングをさせていただきました。検討過程、調査等にご協力いただきました皆様方、誠にありがとうございました。

さて、今回のスタッフブログでは、個人的な話ですが…、先日のゴールデンウィークの話を書きたいと思います。

昨年度事業で約1年間、国内を飛び回ったおかげで、久しぶりに海外へ飛び出したい気持ちになり、ベトナムへ4泊5日間の一人旅を満喫してきました。
私が訪れたのは、ベトナム中部の都市ホイアンです。
日本から、ホーチミン空港を経由してダナン空港へ行き、ダナン空港から車で約30~40分南下したところにある町です。便利な水辺の環境などから、海のシルクロードの拠点の港町として繁栄しましたが、のちに交易の中心がダナンへ移動したため、いまも独特の古い町並みが残っています。
※1999年には「ホイアンの古い町並み」がユネスコの世界文化遺産に指定されました。

<ホイアンの町の夕暮れ時。ランタンに光が灯されます>

◆旅のはじまり…

現地に行ったら、まず現地の人と話したい。
最初に話したのは、ダナン空港からホイアンの宿泊先まで送ってくれたドライバーの青年でした。

成田空港を15時25分に発ち、ダナン空港に到着したのは夜23時10分頃(日本時間25時10分)。あらかじめホテルに予約していた送迎ドライバーが私の名前を書いた紙を持って、空港の到着ロビーでニコニコと待ってくれていました。
ベトナム語を話せない私と、たどたどしく英語で話してくれる青年のコミュニケーションツールは、スマートフォンの翻訳アプリでした。なるべく文明の利器を使わずにコミュニケーションをとりたいと私は考えていましたが、観光客への対応で慣れているのか、青年が率先して自身のスマートフォンを操作し話しかけてくれました。
(↓はイメージ画像)

*ベトナムにおいてスマートフォンが普及していることをあまり想定していなかったのですが、特に若者の間では想像以上に普及していました。平均月額収入が約2.2万円のベトナムで、それをやや上回る価格帯(約2.5~3.5万円)のスマートフォンが売れ筋とのこと。「Facebook」などSNSも普及しており、月収以上のお金を出しても手に入れたいほどに価値を見出していると感じました。

◆地域を訪ねるときに、知りたいこと

私たちの研究所では47都道府県の幸福度を研究しているので、あらゆる地域を訪ねるとき「幸福を感じるときはどんなときか」と聞きたい気持ちに駆られます。弊所の幸福度研究では、「幸福」概念が主観的で相対的なものであることを念頭に置きつつ、人々の幸福を実現するための要素を客観的に捉える共通の物差しを提供することを主眼として進めています。世界レベルでの幸福度調査も複数の機関で行われていますが、やはり足を運んだときには、統計データにおいてはなかなか見えづらい「現時点のその地域での人々の生活・楽しみ・幸せ」を少しでも感じておきたいと考えています。

しかし、初対面の外国人に唐突にそんな質問をされても驚くだろうと思い、少しずつ場を温めていきました。
<次に続く>

<華僑の集会所 福建会館のカラフルな狛犬>

※次回は、「ベトナム人の幸福とは」。5月29日(火)更新予定です。