本指針(案)第1編では、貨幣的に計測することが比較的容易である効果を対象に道路整備のもたらす便益を求め、それを費用と対比することにより、事業を評価しようとしてきた。しかし、現実の道路整備プロジェクトでは、第1編で扱われた効果以外の効果が社会的に評価され、それによってプロジェクトが社会的に歓迎され、容認されていることが少なくない。このような非市場的価値が大きな意義を持つプロジェクトを正しく評価するために実施可能な方法を示そうとしたのが、この第2編である。第2編に示される方法を適用することにより、上に述べたような非市場的価値の評価がより明解な形で数値により評価されることが可能になり、社会的に要求されるが従来の費用便益分析だけでは正当化されないプロジェクトが充分な評価を得ることができると考える。同時に、このようなより広範に渡る効果を評価してもなお、投入される費用に見合わないプロジェクトは、実施されるべきでないことをはっきりと示すことになる。 ……… 「まえがき」より
(発行:財団法人 日本総合研究所 頒布価格:1,800円・税込)
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