謹んで新年のお喜びを申し上げます。国内や海外の社会経済状況を鑑みると想定してこなかった難しい2024(令和6)年が始まります。このような時にこそ、公共政策志向のシンクタンクとして国内外の実状や推移を的確に見極めつつ、より良い社会経済状況に資する創造的な取組や貢献が弊所に求められると考えています。
元日に発生した能登半島地震で被災された多くの皆様に対してお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く平穏な生活に戻られますことを心から願っております。
新年が皆様にとりまして幸多き年となりますようご祈念申し上げます。
今年の干支は甲辰(きのえ・たつ)です。縁起がよく大きな変化が起こる年とされており、この干支にちなみ、弊所としても立ち位置を再認識して重要な転換点にするべく社会課題解決への積極的な貢献と経営の安定に専心することが必要と認識しています。また、創業以来の事業年度(4~3月)を本年から事業年度(7~6月)に変更したことで、どのような効果があるか十分に見極めたいと考えています。
2020年の創業50年を機に、新たな10年(十年プラン)を策定し、本年は5年目(中間年)を迎えますが、この間の蓄積も踏まえ、十年プランの5年を総括する重要な年と考えています。創業50周年の記念事業では、「プラットフォーム宣言」を表明しましたが、多彩なパートナーなどとの共創を通じて日本の変革に繋げることを使命として、引き続き所員一同研鑽を重ね、果敢に行動することが重要と認識しています。
こうした認識のもとに取組む、社会変革に資する自主研究プロジェクト(県民幸福度研究、ジェロントロジー推進機構における人材養成事業、医療・防災産業創生協議会と都市型農業創生推進機構による新しい産業創生)をさらに推し進める考えです。これらは、ポストコロナにおいて国民一人ひとりの意識や行動変容(安全・安心・幸福感)の促進とともに、社会変革に資する重要なプロジェクトと位置付けており、確実に事業成果を挙げることで弊所における業態転換の道筋を明確にする考えです。
同時に、官公庁などの委託調査事業の推進は、国等の政策や施策課題への理解促進、新しい調査事業の開拓、経営安定面からも必要不可欠であり、このバランスが今年も重要なテーマです。さらに、名古屋オフィスを母体とした医療・看護・介護分野を中心とする教育事業部門との連携も引き続きの課題です。
都内に統合・移転し3年目を迎えるこの機会に、名実ともに統合のメリットが十分に発揮でき、高質な内部マネジメントが実現できるよう留意する考えです。特に、若手、中堅、ベテランが相互に能力を活かしきれることが重要であり、そのためにも個々の人材育成とともに、果敢にチャレンジする精神を育み、情熱を持って行動することで、達成感や成功体験を満たせる人材が多数存在することがシンクタンクにとっての貴重な財産(価値)と考えています。甲辰の干支を大きなチャンスにできる1年になるよう取組む考えです。
年頭に当たり、所員一同目標を掲げ、その達成に邁進する所存ですので、一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
2024/1/5
(一財)日本総合研究所理事長 松岡斉